<第5回>「宅地建物取引士」(宅建士)の仕事

今年も残すところ1ヶ月を切りまして世間では流行語大賞や紅白歌合戦の出場歌手の発表がありました。
年間大賞は「トリプルスリー」と「爆買い」に決まりましたが、正直なところ流行語というには微妙なことば
でした・・・
前回記載しましたラグビーの五郎丸さんも「五郎丸(ポーズ)」でトップ10に入りましたね。

紅白歌合戦は昨年までは面白さが分からず毎年観ていませんでしたが、
20代後半に入った昨年から急に紅白の面白さが顕著に現れて今年も観たいなと思うようになりました。
また、歳をとったなあと感じる瞬間でもありました・・・

余談になってしまいましたが前回に引き続き青木が担当させていただきますのでよろしくお願い致します。

前回は簡単に宅建士の仕事はこういうものだという説明をいたしましたが、
今回は「宅地建物取引士」(宅建士)の仕事について、より詳しくお話しさせて頂こうと思います。

宅建士資格試験に合格したからといって、すぐに「宅建士」になることができるというわけではありません。
受験後、合格通知が届いたら知事に登録しに行かなければならず、
登録するには「2年以上の実務経験」か「国土交通大臣の登録実務講習を受講する」の他に
欠格事由が無いこと(宅地建物取引業法第18条)と定められており、

それらをクリアして初めて取引士証が交付され、はじめて「宅建士」となることができます。
では、「宅建士」として仕事をするにはどうしたらいいのかといいますと、手っ取り早いのが宅建業者免許を
取得している企業に就職すること
です。
個人で開業するには取引士証とは別に宅建業者としての免許が必要になりますので面倒な手続きが増える上に、
多額の保証金などの用意も必要となる場合もあります。
建物や土地の取引を担当するわけですからトラブルになった場合の補償金も事前に準備しておく必要があるということですね。

少し話が逸れてしまいましたが、宅建業(いわゆる不動産関係の仕事)の中で宅建士にしかできない主な仕事は以下の3つです。

・「重要事項の説明
・「重要事項説明書への記名・押印
・「契約書面への記名・押印

皆さんは家やマンションを購入・貸借した際に、自宅や宅建業者の事務所や店舗等で宅建士(以前までは宅地建物取引主任者)から重要事項の説明や契約書面を交付された経験はありましたでしょうか。

重要事項」とは例えば

上下水道、電気、ガスの整備状況
瑕疵(かし)担保責任履行措置の概要
法令上の制限
私道の負担の有無             等があり、
契約形態によりその他にも10以上の項目があります。
説明や理解不足から住み始めてトラブルにならないように契約前に専門知識を持った
宅建士から詳しく説明を受けることで問題を未然に防ごうというわけです。

その重要事項説明書には必ず宅建士本人の記名・押印が必要になります。
取引士証を持っていない宅建業者の社員や社長の名前では不可ということです。
必ず取引の際は説明者本人の取引士証を提示することになっています。

最後に契約書面への記名・押印ですが、これは買主・売主両者が後々「言った、言わない」「それは聞いてない」などのトラブルにならないように
契約成立後に遅滞なく交付しなければならない書面でここにも宅建士の記名・押印が必要になります。
その書面の「記載事項」には以下のようなものがあります。
契約当事者の氏名や住所
物件の所在地
代金や借賃
物件の引き渡し時期
移転登記の申請時期             等があり、
他にも両者で取り決めた特約事項があれば記載する必要があります。
「私がこの契約の証人です」という立場で記名・押印していると思っていただければいいでしょう。

以上が宅建士の主な仕事になりますが、
最近では宅地建物取引業法の改正が行われ、取引士としての役割が重要視されて不動産業以外でも様々な業種で活躍する場が広がっております。

業界でいえば銀行や保険などの金融関係、デベロッパー・ゼネコンなどの建築関係等があります。
なぜそのような業界で必要とされるのかといえば、様々な業種に絡む法律を勉強して取得できる国家資格であるからです。
民法、税法、国土利用計画法、建築基準法等があり、各業界でも必要な知識が得られるため宅建士のニーズが他業種にまで及んでいるのです。
合格率の低さや宅建業を営む企業には一定数の宅建士の設置義務もあるため実務経験が無くとも必要としている企業はたくさんあるということで
転職にも有利に働く資格といえそうです。

何か資格を取ろうかと思っている方はぜひ宅建士の資格取得を目指してみてください!

最後までご一読いただきありがとうございました。
次回は「弊社の倉庫賃貸」についてお話したいと思います。               青木




発表と言えば先日、宅地建物取引士資格試験の合格発表も行われました。
合格率は15.4%と前年度と比べて2%以上も下がっていたということはやはり難易度は上がっていたということでしょうか。
それにしても最年少合格者は昨年と変わらず13歳でしたが最高齢合格者が83歳というのには驚きました。昨年は77歳でしたので今年初めて受験したのか、毎年受け続けてやっと合格したのか分かりませんが宅建士としての知識がこの年でも定着できていることが素晴らしいと思います。

私は前もって自己採点していましたので結果は分かっていましたが受験された皆さんはいかがでしたでしょうか。
今回はお試しで受験したこともあり残念ながら落ちてしまいましたが、
自身でも勉強不足だったと感じておりましたのでこれにめげずに来年また再挑戦したいと思います。
そして見事合格しました30,028人の方々おめでとうございます!・・あぁ、羨ましぃ限りです・・