<第7回> 「昔話から学べる仕事の在り方①」

  • <第7回> 「昔話から学べる仕事の在り方①」
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2月1日よりスマートフォンの「実質0円」廃止のニュースをテレビで見ましたが、今回はその話ではなく
某携帯会社のコマーシャル(CM)で話題になっている「三太郎シリーズ」に絡めた話をしたいと思います。
「三太郎シリーズ」といえば昨年、好感度第1位にも選ばれたCMです。
若手の俳優が昔話に出てくるキャラクターを演じている長編のストーリー仕立てになっており
現在も放映されています。
桃太郎、金太郎、浦島太郎が実は友達だったという設定でそれぞれの昔話を現代風にアレンジしたような内容で
常識にとらわれないその自由な発想がたくさんの視聴者の好感を得たのだと思います。

今回はその昔話(童話)を引用して「昔話から学べる仕事の在り方」についてお話ししていきたいと思います。
青木が担当いたします。



皆さんは、昔話といえば、どのようなお話を思い浮かべるでしょうか?
「桃太郎」が思い浮かんだ人が多いかと思いますが、
皆さんはあらすじを話すことができますでしょうか。
諸説ありますが、要約してしまえば川から流れてきた桃の中から男の子が出てきて、
桃太郎と名付けられたその男の子がおじいさん、おばあさんに大事に育てられ
大きく成長した桃太郎は鬼ヶ島に行く決心をし、おばあさんが作ってくれた黍団子で
鬼ヶ島への道中、犬・猿・雉を家来にして鬼を退治し宝物を持ち帰ってきたというお話でした。

では、これを仕事に置き換えるとなるとどういったことがいえるでしょうか。
まずは主人公でもある「桃太郎」ですが、これといった取り柄があるわけでもなく一般的な生活を
送ってきたわけですが「鬼退治に行こう!」という大それたことを決心しました。
これを仕事に置き換えるならば「新しい事業を始めよう、起業しよう」といった
「経営者」、「起業家」のような存在であるといえます。

その「桃太郎」が鬼退治へ行く道中で犬、猿、雉と出会い自分が食べるはずだった黍団子を分け与えて
家来として迎え入れ一緒に鬼退治へと向かいました。
これはリーダー格である経営者が事業成功のために自分の財産をはたいて部下を雇用し、
仲間を集めたと置き換えることができます。

結果、桃太郎は鬼を退治することができ宝物を持ち帰ることができました。
これを仕事において考えてみますと新しい取引先との事業が成功し
利益を収める結果となったといえると思います。

このように物語は主人公が悪者を退治するというよくあるサクセスストーリーになっておりますが、
桃太郎のおはなし事体を仕事に置き換えてみるとユーモア溢れるストーリーに仕上がります。
さらに犬、猿、雉をそれぞれの特性を生かして掘り下げていくと面白くなってきます。
よく組織化させて表しているものがありますが、弊社のような物流業、倉庫業でも同じように
組織化することができます。

まず始めに「①犬」についてですが、桃太郎の1番目の家来となり鬼退治という目標に忠実に従い、
また果敢に向かって行くため実行力が重要視される熱血派タイプです。
物流業では営業所や物流センターなど現場で汗水流して働いている社員・パート、アルバイト・派遣の方々に
なるでしょう。
日々物量が変動する中でノルマを達成するために適正な人員配置を行ない、派遣への指導を徹底することで
実務をこなしていきます。

続いては「②猿」です。2番目の家来となり、相手の行動や現場の状態を予測し機転を利かせて鬼退治に
貢献しました。このように管理や頭の回転が重要視されるので頭脳派タイプといえると思います。
物流業では売上や経費の管理、データの管理など担当している総務やシステム関係の方々になります。
日々の実績データを管理・分析したり、人員配分に問題は無いか、
また、業務の省略化を考えて収支や業務改善に重きを置かなければなりません。

次いで「③雉」なりますが、昔話でも3番目の家来となって、身の危険も顧みず鬼ヶ島の偵察や動向を
うかがい、その責任感ある行動によって鬼退治を果たしました。
勇気や度胸が必要な役割で積極派または慎重派タイプに分類されます。
物流業では荷主さんや新規の顧客と直接やりとりをするような営業職や営業所・物流センターの所長
・センター長の方々を指します。
世間の動向に注目しつつシーズンによって忙しさにムラがある業界なので閑散期には新規顧客獲得に向けて
積極的に幅広く営業活動を行なったり、既存の荷主さんとの関係や環境の改善なども常日頃から考え慎重に
提案等していかなければなりません。

以上のものを簡単にまとめてみますと次のようになります。
桃太郎         =経営者、起業家
犬=肉体派    =現場で働いている人
猿=頭脳派    =総務やシステムなど事務系の人
雉=積極派・穏健派=営業職、所長・センター長

桃太郎が作り上げた組織は、仕事をする上でも理想的な組織であると思います。
もちろん、会社の規模によって組織図はさまざまあり、例えば大企業であれば桃太郎が複数人いたり、
組織自体が複数存在するはずです。
一方で中小企業の中には、桃太郎と雉を1人でこなしていたり、または犬・猿・雉を1人で兼務して、
桃太郎と2人で仕事をしている会社もあるかと思います。

組織内で派閥が存在したり、人間関係でトラブルになってしまったり、「組織化」することが必ずしも
良い結果に繋がるとは限りませんが、1人1人を適材適所の部門や分野に担当させることは仕事をする上で
重要なことだと思いますし、利益を生むためには有効な方法かもしれません。
役員・幹部の方々が雇用している1人1人の特長を見出し適正な組織編成を組む力も必要になりそうです。

また桃太郎と家来たちを物流業ではよく流用される管理業務の効率化を意味する「PDCAサイクル」にも
置き換えることができます。
「PDCAサイクル」とはPlan(「計画」)・Do(「実行」)・Check(「評価」)・Act(「改善」)
頭文字のアルファベットを取った用語で事業を継続的に行なうための4つの行動です。
言い換えれば業務の継続的な改善が事業継続拡大に繋がっていくということです。


桃太郎が鬼退治(「計画・目標設定」)を決断し、犬が鬼退治に向けて行動(「実行・実施」)に移し、
猿が相手の行動を見て機転(「評価」)を利かせ、雉が戦況を把握して有利に働く努力(「改善・処置」)
をします。
仕事に転換すると、経営者が事業計画を立て、計画に従って現場職員が行動し、事務職員が実績について
まとめて結果を報告し、営業マンや所長が結果に基づいて次はどうすれば良いか出てきた課題に対する
改善策を見出して経営陣へ報告する
といった流れになります。

このサイクルを繰り返す中で経営者サイドと現場サイドの価値観のズレや意見の衝突、営業マンと顧客との課題解決のための慎重な契約の見直し等、複雑な問題を解決することが重要になってまいります。
その点を克服、乗り越えていくことができれば人間関係や収支改善にも繋がっていくと考えることができます。
もし、毎日同じような作業で新鮮味がなく、退屈だと感じている職員がいればBGMを流してみたり、
部下への教え方・接し方を改めたり、環境を変えて作業をするような一工夫をするだけで、社員やバイトや派遣
のやる気をおこさせたり、それが大きな業務改善への第一歩となっていくのではないでしょうか?

                                                青木
≪あとがき≫
そういえば「三太郎シリーズ」のCMで隠れキャラクターとして一寸法師が映り込んでいるというのは
ご存知でしたでしょうか。
今まで放映された全作品ではないみたいですが、そのうちの何本かに映り込んでいるようです。
あえて公表しないで視聴者に気付かせることで話題になったのかもしれませんね。
同じような手法でディズニーランドには「隠れミッキー」があちこちあるみたいですが、
このように、ユーモアを随所に入れ込んでいくのも人々の興味を引くためには効果的なのかもしれませんね。
好感度1位になったのも頷けます。
ネットで検索してしまえば簡単に見つかってしまいますが、私も今後注目して探したいと思います。