毎年この時期になると台風が日本列島を襲ったりすることが多くなりますが、当社のような業種では
荷物の入庫が遅れたり、商品が汚れていないか検品を行なったり、それに伴って出荷作業も遅れたり、
また今後のコンテナ等の入庫予定が先送りになったりなど、リアルタイムに影響が出てしまうようなことが
あります。
業務の中では店舗へ商品の発送も行なったりしているので、台風の影響で納品が遅れたり、
外出を控える人が増えることでモノが売れなくなったりすることもあるかもしれません。
しかしながら最近ではネットで何でも購入できるようになったので、需要と供給のバランスはそれなりに
保たれるようになってきているのかと思います。
通販大手の企業が自社配送を始めたことで、個人宅への翌日配送が当たり前になり、
各社サービス品質向上の為、配送ドライバーの人員確保が急務となっております。
配送業者の間では日々ドライバーの争奪戦が繰り広げられております。
また2024年問題が刻一刻と近づいておりますが、運行経路とドライバーの労働環境の改善で対応に
追われている企業は多いのではないでしょうか。
EC関係でいえばコロナ禍で宅配の件数は増加しており、各ドライバーの1日の処理点数は100件~200件くらい
までになっているところもあるようです。ドライバーの残業増加の要因になっています。
そもそも宅配個数全体の10%~15%は不在再配達の荷物といわれております。
近々年間宅配個数が50億個になるといわれている中でそのうちの7億5千万個は再配達しているということは
かなりの負担になっているはずです。
ガソリンや資材の高騰化もある中で、配送業者やドライバーの負担を軽減できるような施策を
真剣に考えなければならない時期がすぐそこまで迫っております。
私も通販は頻繁に利用しておりまして、微力ながら宅配BOXを常に利用して再配達の軽減に努めております。
前置きが長くなってしまいましたが、今回も錦糸町営業所の建築当初からある昔ならではの設備について
お話させていただきます。
今回は倉庫内のEV前にある謎の円柱です。写真の右側に移っている赤い円柱のことですが、
何のためのものか分かりますでしょうか。
私が入社してからそれを使ったことは見たこと無いので、少なくとも10年は使用しておりません。
先に正解を言ってしまうと、オーダー伝票や明細票等の書類を他のフロアに送ったりするために
作られた搬送機になります。
搬送機といっても運び方はいたってシンプルで井戸の水を汲んだりするような滑車を利用して
手でロープを引っ張り上げるようなやり方です。
いつ頃まで使用していたかは定かではないですが、ファックス・コピー機・パソコン・ワープロなどが
無い時代に事務所で受けたオーダーや手書きの書類等を現場の人へ手早く渡す為に使っていました。
筒状の容器に書類を入れてロープにくくりつけて運んでいたようです。
今ではファックスでの受信やパソコンとプリンターがあればどこでも印刷できてしまいますし、
ペーパーレス時代の昨今、端末操作で受発注できてしまう世の中になりました。
近い将来では、AIで全て自動化できるようになって物流関係で人の手が必要なくなるかもしれません。
半世紀という時の流れで廃れた設備・発展した設備がたくさんありましたが、古き良き時代に固執せず、
時代の流れに乗り遅れないようにしていかなければなりません。
話が逸れてしまいましたが、この書類搬送用の設備も数十年前は便利だったものでも、
今日まで使い続けられてきませんでした。
似たような用途へ転用ということもされないまま今に至っております。
幸い倉庫のスペースをさほど取らない設備なので良かったですが、
大規模な設備の場合、撤去費用が高額になったり、構造上撤去できないなんてことにもなりかねません。
倉庫で営業していく上で、保管効率や作業効率を考えて設備を導入していくことはとても重要です。
当営業所の周辺にもいくつか倉庫は建っておりましたが、閉鎖されていたり、住環境に良いと言うこともあり
今ではマンションに建替えられたりしております。
なかなか50年先どうなっているかなど予想することは難しいですが、今の時代の流れを考慮して設備導入または汎用性を持たせることが倉庫を長く使用できるポイントなのかもしれません。
あとがき
台風が東京に直撃すると毎回のように錦糸町営業所では漏水が発生してしまいます。
賃貸でお借りいただいているテナント様には大変ご迷惑をおかけしておりまして、
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
防水処置をしても根本的な修繕にはならずまた別のところから漏水し、いたちごっこの状態でした。
一部外壁防水塗装等も行ないましたが、建物の老朽化に耐え切れない状態は続きました。
倉庫内でもコンクリートが剥がれて鉄筋がむき出しになってたりするところもあり、
簡易的な補修で対応しているところもあります。
そのような経緯などもありまして営業所閉鎖という決断に至りました。
それでも約56年間東日本大震災なども経験しても尚、稼働し続けられた当営業所ですが、
残り半年あまり無事に役目を終えられるように見守って行きたいと思います。
青木